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よろしくお願いします。

「誰のためのデザイン? 増補・改訂版」を読んだ

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論

これは読んだほうが良い

読んだほうが良いと、会社のUXエンジニアから推薦されていた本であったため、 会社に頼んで買ってもらった。

誰のためのデザイン? 初版(25年前)とのテクノロジー差分が盛り込まれている

誰のためのデザイン? 初版は1988年に書かれたもので、 増補・改訂版は2013年に書かれている。

初版を書いた頃のテクノロジー、著者の考えは増補・改訂版で これは違っていた、など25年経った時代での適応、 例えばスマートホンが出た、webが出てきた、機械学習によるコンピュータ資源を安く利用できるようになった、 などの時代の変化に合わせて、増補・改訂版で変更が入っている。 (初版は読んだことはないが)

アフォーダンス、シグニファイア…

会話の中でたまに出てきたアフォーダンスやシグニファイアの用語について 取扱、概念が出ていた。今まで、私は雰囲気で掴んでた面があったので学習できた。

  • アフォーダンス
    • 主体(人間)が何がとどうインタラクションできるかについての実世界での可能性
    • 見えなくても存在するもので、UIとしてなくても、操作したりそうであると判断するもの
  • シグニファイア
    • シグナル -> これは押せない、ものが置けるなどの概念
    • 例えば、平らな面があって適当にコップが置かれて入ればコップを置いて良いというシグナルとなる

前者のアフォーダンスについては、後者のシグニファイアとしての意味合いで語られることが多くなってしまった、 と著書にかかれていて、私も後者、決定ボタンのデザインを統一的に、大きさも位置も同じにすることで 操作性、認知による学習をさせないようにする、という意味合いで使っていたり、説明を受けていた気がした。

スリップとミステーク

普段オペレーションに慣れているのにミスをしてしまうのはなぜか。 初めてオペレーションを行おうとした人間がミスをしてしまうのはなぜか。

この点について記憶ラプスによるスリップ、ミステークの説明があった。

  • スリップ
    • 何か行為をしようとするが、別のことをしてしまったときに発生する。2種類ある
      • 行動ベースのスリップ
        • 飲み物を飲む準備をしたあと冷蔵庫に入れてしまう
      • 記憶ラプスのスリップ
        • 調理後、ガスのコンロを消し忘れてしまった
  • ミステーク
    • ゴール、プランを間違えて行動プランを形成したときに発生する。2種類ある
      • 知識ベースのミステーク
        • キログラムをポンドと読み間違えてしまう -> 計器に表示されている桁を見間違える
      • 記憶ラプスのミステーク
        • 注意散漫な中作業をしたために検査が十分にできなかった

スリップ、ミステークを防ぐために

  • 複数の人間による確認作業
  • そもそも間違えた作業が行えないように物理的制約を加える

という点があげられていた。 ソフトウェアであれば、型が異なればコンパイルできないとか、 決定ボタンを押してもデータの削除は行われない、とかになるのだろうか。

ミスをした人間が悪いのか?いやそうじゃない

悪意がない人間が、思わぬ結果を起こしてしまう点について、 ミスをした人間が悪い、で終わるのではなく、 システムやUI、記憶に頼った運用になっていないかなど そちらの調査をしっかり行うべきということを章を割かれて書かれていた。

調査委員会を主にした調査はすごく時間はかかるが、ミスを起こした団体の手を離れて 別の人間が調査するという例が乗っていた。

宇宙開発や航空関係で事故が発生した場合、調査委員会は別の団体で行われる、など。

それでも悪意のある人間がいたら

その点については、別途本の範囲を離れるという感じで語られていた

急進的にいくか、漸進(ぜんしん)的に行くか

急進的な変化は人間に変化を学習することを強いるし、 漸進的な変化は積み上げな変化であり、人間への学習は穏やかだけど市場の変化はゆったりする。

  • 急進的な変化
    • スマートフォン。インターネット。
      • タップによる操作
      • 非対面での時間を気にしない商取引の実現
      • 情報のやりとりが安価
  • 漸進的な変化
    • 車の変化。
      • 蒸気機関 -> 内燃機関 -> ハイブリッド -> 電気自動車となる。アクセルとブレーキは不変に近い。

ビジネスとUXのせめぎあい

数多の製品は、ビジネス、売上による時間的制約に縛られている、という点も挙げられていた。 すごく現実身がある。理想を突き進めば良いのだけど、工業製品であればデザイン、量産、 市場で売れるかの判断をしなければいけないので難しい。

この点まで取り上げているのか、と読んでて唸った。

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